長期優良住宅の認定条件やメリット・デメリットを解説
公開日:2024/08/15 最終更新日:2024/07/22
循環型社会の形成の一環として、長期優良住宅が注目されています。長期優良住宅には、様々な特徴や認定条件があります。本記事では、長期優良住宅のメリットとデメリットも合わせて解説します。「長期優良住宅に関心があるけど、いまいちどういうものなのかわからない」と感じている人の参考になれば幸いです。
長期優良住宅の概要
長期優良住宅とは、日本政府が定めた住宅の高性能基準を満たした優れた住宅のことです。この制度は、耐震性能、劣化対策、維持管理の容易さ、省エネルギー性など、複数の厳格な基準をクリアした住宅に対して国が認定を行い、一定の優遇措置を提供するものです。
持続可能な家づくりの推進が目的
日本の住宅は一般に寿命が短く、数世代で建て替えが行われることが一般的です。それに伴い、大量の廃棄物が発生して資材やエネルギーの浪費につながります。この建てては壊すサイクルを改善し、持続可能な住宅の推進を目指すのが、長期優良住宅認定制度の狙いです。
認定を受けるには
認定を受けるためには、新築前に建築主や建築会社が申請を行い、一定の審査基準をクリアする必要があります。具体的には、劣化対策や耐震性の向上、省エネルギー技術の導入、居住環境の改善など、高度な技術と設計が求められます。
特に「維持管理・更新の容易性」は、住宅設備や配管のメンテナンスが容易であることが求められ、長期間にわたって住み続けるための重要な要素です。
認定を受けた長期優良住宅は、所有者に対して税制優遇や住宅ローン金利の引き下げなどの特典が提供され、経済的メリットも大きいです。そのため、近年では新築戸建住宅の約4戸に1戸がこの認定を受けており、需要の増加が見られています。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅は、その高性能により多くのメリットを提供します。
快適かつ安心できる住宅を世代を超えて維持できる
まず挙げられるのは、快適かつ安心して暮らせる環境を世代を超えて維持できることです。耐震性が高まることで、大規模な地震に対しても家の損傷を最小限に抑え、住み続けるための改修が容易になります。
また、優れた断熱性能によって室内の温度が安定し、冬は暖かく夏は涼しい環境が保たれることで、エネルギー消費が少なく健康的な生活が送れます。
税制優遇措置を受けられる
さらに、長期優良住宅の認定を受けることで、さまざまな税制優遇措置を受けられる点も大きなメリットです。
例えば、住宅ローン減税では、年末ローン残高の一部が13年間の所得税や住民税から控除されます。この措置は新築時のローン控除額が最大で5000万円に達し、特に子育て世帯や若年層夫婦にとっては大きな支援となるでしょう。
さらに、不動産取得税や登録免許税、固定資産税においても長期優良住宅の特例措置が適用され、税負担の軽減が期待できます。これらの措置は、家を持つための初期費用や維持費用を抑えることにつながり、所有者にとって経済的な負担を軽減します。
ローン金利引き下げ・保険料の割引・補助金制度を利用できる
さらに、長期優良住宅の場合、住宅ローン金利が引き下げられるフラット35の特別条件が適用されることもあります。この金利引き下げは、初期の返済負担を軽減し、家計管理をサポートする効果があります。
また、地震保険料の割引きや地域型住宅グリーン化事業の補助金制度の利用が可能となる点も、長期優良住宅の魅力です。耐震性や省エネ性の高い家を建てることで、地域社会への貢献が期待できるばかりか、保険料や建設費用の削減にもつながります。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅は多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
申請に費用がかかる
第一に挙げられるのは、申請にかかる費用です。長期優良住宅の認定を受けるためには、設計図書類の作成や技術審査のための手数料、そして代行申請料などが必要になります。
例えば、設計図書類の作成には20万円程度、手数料も5万~6万円程度かかることが一般的です。これらの費用は申請者にとって追加の経済負担となりますが、それを差し引いても長期的な利益と安心感を得ることができるという見方もあります。
建設コストの増加
次に、建築コストの増加が挙げられます。長期優良住宅の場合、高い住宅性能を確保するためには、より耐震性の高い構造部材や省エネ性の高い設備を採用する必要があります。
そのため、一般的な住宅と比べて建築コストが割高になる傾向です。ただし、この増加した建築コストは、将来的な修繕やエネルギー費用の節約という形で回収できる可能性があります。
定期的なメンテナンスが必要
さらに、長期優良住宅を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。特に、大きな台風や地震などの自然災害後には臨時点検や補修が求められることもあります。
これには、建築会社への依頼や実施記録の作成・保存が伴うため、一定の手間と費用が必要です。ただし、適切にメンテナンスを行うことで住宅の性能を維持し、将来的な価値の維持にもつながります。
まとめ
長期優良住宅は持続可能な家づくりの象徴であり、高性能な住宅性能で所有者に多くのメリットを提供します。耐震性や断熱性が高まり、安心して快適な暮らしを長期間続けることができるばかりか、税制優遇や住宅ローンの特典も得られるのです。これにより、初期投資はあるものの、将来的な経済的利益と安全性の向上が期待できます。一方で、申請や建築には費用と手間がかかる点や、定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあります。しかし、長期的な価値と持続可能性を考えれば、投資する価値は十分にあるでしょう。
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引用元:https://sml-support.com/lp
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