高気密高断熱の住宅とは?メリットやデメリットを解説!
公開日:2024/03/01 最終更新日:2024/03/29
近年、自宅で過ごす時間が長くなった傾向もあり、快適さや省エネルギー性が求められています。そんな需要に応えるべく、高気密高断熱住宅が注目を集めています。
高気密高断熱住宅のメリットは、光熱費を抑えつつ、家中均一な温度で快適な住環境を実現できる点です。その一方で、建てた後に後悔する方も少なくありません。
そこで今回は、高気密高断熱住宅の概要から、メリット・デメリットについて解説します。注意点もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高気密高断熱住宅とは
高気密と高断熱を組み合わせることで、外部からの熱や冷気の侵入を最小限に抑え、室内の環境を快適に保てます。その結果、省エネ効果が高まり、冬は暖かく、夏は涼しい室内を維持できるのがメリットです。
そんな高気密高断熱住宅の仕組みをするために、高気密・高断熱それぞれの特徴を見ていきましょう。
高気密住宅の特徴
高気密住宅とは、外部との隙間を極力減らし、建物内部の気密性を高めた住宅を指します。高気密ではない木造建築では、材料や建築手法によって微細な隙間が生じるケースがあります。その結果、隙間から外部の気温や湿度が室内に漏れ込み、室内の温度や湿度が安定しなくなってしまうのです。
高気密住宅の主な特徴は、壁や床下などに断熱材や防湿シート、気密テープなどを使用して住宅内の隙間が十分に埋められており、外気が室内に侵入しにくい点が挙げられます。
外部からの空気の出入りを最小限に抑えることで、冷暖房機器によって快適にした空気を外に移動するのを防げるでしょう。そのため、冷暖房機器の使用頻度が低くなり、省エネ効果が期待できます。
高断熱住宅の特徴
高断熱住宅とは、建物内外の熱の移動を最小限に抑えることで、快適な居住環境を実現する住宅を指します。通常、外気からの熱が壁や窓を通じて室内に伝わると、室内の温度が外気に影響されてしまいます。
しかし、断熱性の高い窓や断熱材を使用することで、外部からの熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を一定に保てるでしょう。
冬季には室内の暖かさが外部に漏れにくく、夏季には外部の熱が室内に侵入しにくいため、室内の温度差を減らし、住まいの快適さが向上します。
高気密高断熱住宅のメリット
高気密高断熱の住宅は快適性と経済性を両立させ、健康的で安心な生活を実現できます。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1:快適な居住環境が維持できる
高気密高断熱の住宅では、外部からの気温変化の影響を受けにくいため、年間を通じて快適な居住環境を維持できます。夏季には外気の熱が室内に侵入しにくく、エアコンがより効率的に働いて涼しさを実感できるでしょう。
同様に、冬季は室内の暖かさが外部に漏れにくく、暖房設備を効果的に活用して室温を一定に保てます。
メリット2:光熱費が節約できる
室内の環境が一定なため、冷暖房機器の使用頻度や設定温度を抑えられ、少ない電力で効率よく使用できます。なぜなら、一般家庭における消費電力の多くは、冷暖房機器が占めているからです。
断熱性能など、住まいの性能が劣ればそれだけ光熱費の増加につながります。高気密高断熱住宅では、夏場は外からの暑さを遮断でき、冬場は温めた室内の空気を外に逃がしません。そのため、エアコン効率も向上し、結果として、光熱費が下がり、家計の節約につながるでしょう。
メリット3:ヒートショックが予防できる
ヒートショックとは、温度の急激な変化によって血圧が大きく変動し、健康被害が起こる現象を指します。
具体的には、暖かい居室から急に寒い浴室に移動すると、体温調節機能が追いつかず、血圧や脈拍が急激に変化することで心臓や血管に負担がかかるのです。軽度であれば、めまいや立ちくらみといった症状ですが、重度になると失神や心臓発作などの意識障害が起こるケースもあります。
そのため、部屋ごとの温度差を最小限に抑えられる高気密高断熱の家では、ヒートショックを起こす危険性を低減できます。
高気密高断熱住宅のデメリット
メリットの多い高気密高断熱住宅ですが、デメリットも存在します。住宅購入時や建築計画時には、デメリットもきちんと把握して適切な対処を検討しましょう。
デメリット1:建築時にコストがかかる
高気密高断熱住宅のデメリットのひとつとして挙げられるのが、高気密高断熱ではない木造住宅よりも建築時にコストがかかる点です。高気密高断熱住宅にするには、高性能な断熱材や気密テープ、機密性の高い窓などの建材を使用するため、コストが高くなりがちです。
ただ、一般的なハウスメーカーや工務店が建てる住宅は、標準仕様でもある程度は高気密・高断熱です。しかし、特別なこだわりや希望を叶える場合は追加オプションが必要となります。
初期費用がかかりますが、省エネ効果などのメリットが長期的には得られるという点を考慮すると、コスト負担が必ずしもマイナスになるわけではないでしょう。
デメリット2:結露やカビが発生するケースがある
高気密高断熱住宅では、結露とカビの発生に注意が必要です。通常、結露は外気温と室内温度の急激な差によって発生します。
高気密・高断熱の住宅は外気の影響を受けにくいため、結露が生じにくいと思われがちですが、実際には壁内での結露が起こるケースも少なくありません。
壁内での結露が生じる原因は、柱や断熱材の間に隙間が残る点です。建築時に隙間ができると、隙間部分の温度が低下し、断熱材との温度差が生じます。これが結露を引き起こし、さらにカビの繁殖を促すことにつながるのです。
結露を防ぐためには、壁面や床下に適切な防湿層や通気層を設置する必要があります。気密を高め、適切な施工をしてくれる住宅メーカーを選びましょう。
デメリット3:暖房機器が限定される
高気密高断熱の住宅では、極端にいうと外部からの空気の流入が制限されている状態です。そのため、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクが高まるため、使用する暖房機器には注意が必要です。
たとえば、石油ストーブは、燃焼することで炎の熱を利用して部屋を暖めます。しかし、石油ストーブは燃焼の際に室内に二酸化炭素やそのほかの有害な排気ガスが発生します。
また、燃焼させるときに水蒸気を発生させるため、室内が結露しやすい状態になってしまうのです。適度な加湿は必要ですが、結露が起きてしまうと木造住宅にはダメージを与えてしまいます。
換気システムも導入されていますが、窓を定期的に開けて外気を取り入れる必要があるでしょう。ただし、外気を取り入れることで高気密・高断熱の効果が一部失われてしまいます。そのため、効率的な暖房と室内の空気の質を両立させるためには、ほかの暖房器具の使用を検討しましょう。
高気密高断熱住宅3つの注意点
高気密高断熱住宅を建てる際には、以下の3つのポイントに注意しましょう。
適切に換気を実施する
一般的に、住宅建材にはシロアリなどの被害から保護するために化学物質が使用されます。高気密高断熱住宅では、室内の空気が外に逃げにくいため、化学物質やハウスダストが溜まりやすくなるのです。
そのため、部屋の中の空気と外の空気を入れ替える必要があります。2003年7月に施行された建築基準法より、近年の住宅には換気システムの設置が義務付けられています。しかし、換気システムに頼るだけでなく、定期的な窓の開閉などを通じても換気を行うことが重要です。
性能を確認する
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を評価する際の指標として、UA値・ηAC値・C値があります。UA値は外皮平均熱貫流率を示し、室内の熱が外部に逃げる程度を示す数値です。
ηAC値は平均日射熱取得率を指し、太陽の熱が室内に伝わる程度を示します。C値は気密性を示す値で、建物が外部の気温の影響を受けにくいほど低い値となります。これらの値が低いほど、高気密高断熱の快適な環境と言えます。
断熱性に関しては、断熱材の種類や壁の厚さによって計測できますが、気密性に関しては専用の機械で測定する必要があります。家を建てる際には、性能値をしっかりと測定してもらうことが重要です。
信用できる住宅メーカーを選ぶ
高気密高断熱の性能は、施工会社の技術力と経験に左右されます。とくに、壁内に隙間ができると内部結露が発生し、建物の劣化につながるため、信頼できる会社を選ぶことが必要です。
たとえば、北海道や東北などの寒冷地での施工実績が豊富か、ZEHに対応しているか、機密測定を実施しているなどの、住宅メーカーを選びましょう。
まとめ
高気密高断熱の住宅は、外気の影響を受けずに一定の室温を保てるため、年間を通じて快適な生活を実現できます。しかし、理想の快適な住宅を実現するには、コストや結露や、換気設備なども検討する必要があります。
高断熱・高気密の住宅のメリットとデメリットを考慮し、自分たちの理想の住まいを見つけましょう。
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引用元:https://sml-support.com/lp
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