「先進的窓リノベ2024事業」とは?利用する際の注意点やメリットを解説!

公開日:2024/05/30

窓リノベ

先進的窓リノベ2024事業とは、環境省が実施する高い断熱性を持つ窓のリフォームへの補助金制度です。条件を満たすことで、リフォームにかかる工事費用に関して最大200万円の補助金が受け取れます。

ただし、補助金を受けるためには、対象となる工事や申請に関する注意点をしっかり把握しておく必要があります。先進的窓リノベ2024事業の要件をクリアするためにも、基礎知識をしっかりと理解しておきましょう。

そこで今回は、先進的窓リノベ2024事業の概要と利用する際の注意点、メリットなどを詳しく解説します。

先進的窓リノベ2024事業の概要とポイント

「先進的窓リノベ2024事業」は、環境省が提供する補助金で、正式名称は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」を指します

補助金の目的は、断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、健康で快適なくらしの実現やエネルギー費用負担の軽減、家庭からのCO2排出削減に貢献することです。

要件

先進的窓リノベ2024事業は、2023年11月2日から2024年12月31日までの期間内に着手される、既存住宅の窓に対して交換などするリフォーム工事が対象です。しかし、どの事業者に依頼しても補助金が受け取れるわけではありません。

対象となる工事は、補助金を提供するために登録された「窓リノベ事業者」と契約した場合に限ります。窓リノベ事業者とは、この事業に参加するために登録を完了したリフォーム工事を行う事業者を指します。

なお、対象となる工事には、住宅所有者が実際に住んでいる既存の戸建て住宅や集合住宅が含まれます。また、賃貸物件として貸し出されている住宅も対象となりますが、住宅として機能していない家や店舗として利用されている家は対象外です。

補助金額

先進的窓リノベ2024事業の補助金額は、5万円から最大200万円まで幅広く設定されています。補助率は、高い断熱性能を持つ窓へのリノベーション工事にかかる費用の50%相当です。

たとえば、400万円の工事費用であれば200万円、100万円であっても最大50万円の補助金が受け取れる計算となります。リフォームには窓の種類や施工業者によって費用が異なりますが、補助金の上限内であれば、工事にかかる費用負担を軽減し、省エネや快適性向上を促進できます。

なお、補助額は、工事の内容、住宅の建て方、対象製品の性能とサイズの3つの要素に基づいて変動します。

同じ住宅であっても違う窓をリフォームする場合は、各工事が補助要件を満たしている限り、上限の200万円以内であれば何度でも申請できます。

先進的窓リノベ2024事業の対象となる工事

先進的窓リノベ2024事業の対象となる工事は、ガラス交換、内窓設置、外窓設置、ドア交換の4つです。

ガラス交換は、現在の窓枠をそのまま使用してガラスだけを取り外し、新しい複層ガラスなどに交換する工事です。また、障子交換もガラス交換として扱われます。

内窓設置は、窓の内側に新たに内窓を設置する工事です。ただし、該当するのは建物の外周に位置する既存外窓の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置されるものに限ります。

外窓交換には、カバー工法とはつり工法があります。カバー工法は、現在の窓枠のうえに新たな窓枠を覆い被せて断熱性能の高い窓などに交換する工事です。

一方、はつり工法は、現在の窓ガラスおよび窓枠の両方を取り外し、新たな窓枠のうえに複層ガラスなどを取り付ける工事です。

ドア交換もカバー工法とはつり工法があります。ただし、ドア交換はほかの窓の工事と同一契約のみ、補助対象となるので注意しましょう。

対象製品

先進的窓リノベ2024事業の補助金を利用する場合、利用する窓やドアは事前に登録された対象製品を選ばなければなりません

対象製品は、メーカーが登録し「性能証明書」が発行された製品です。具体的には、戸建住宅や低層集合住宅、中高層集合住宅によって異なる基準が設けられています。たとえば戸建て住宅や低層集合住宅では、窓の熱貫流率が一定の基準以下でなくてはいけません。

性能基準を満たす製品であるかどうか、工事施工業者に事前に確認するのを忘れないようにしましょう。

先進的窓リノベ2024事業のメリット

先進的窓リノベ2024事業のメリットは多岐にわたります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

費用負担を抑えられる

先進的窓リノベ2024事業では、補助対象工事の内容に応じて、一戸あたり5万円から最大200万円までの補助金が支給されます。補助金を活用することで、リフォーム費用の負担が大幅に軽減されるでしょう。

とくに、住宅の中で熱が最も出入りしやすい場所は「窓」と「ドア」です。これらの場所を断熱することで、寒さや暑さ、結露といった問題を解決できます。

窓とドアの断熱を強化することは、室内の温度を快適に保ち、エネルギー効率を高めるために非常に重要です。すでに窓のリフォームを検討している方にとって、補助金は非常にお得です。

住まいの快適性が向上する

断熱性の低い窓があると、住まい全体の断熱性が保てず、外気の影響を受けやすくなります。しかし、断熱性能の高い窓にリフォームすることで、夏の暑さや冬の寒さに対する心配が減り、快適な住環境が得られます。

なお、高断熱の窓は結露対策にも優れており、湿気やカビの発生を防ぐのにも効果的です。建築から1年以上経過した住宅に住んでいる方は、ぜひ補助金の利用を検討してみてください。

光熱費を削減できる

住まいの気密性が向上すると、断熱性能が大幅に改善されます。断熱性能が高まることで、冷暖房設備の使用頻度や運転時間が減り、必要なエネルギー量を効果的に抑えることが可能です。そのため、電気代やガス代などの光熱費が節約できます。

窓リノベーションを検討している場合は、長期的な経済効果やリノベーション費用のバランスを慎重に考慮しましょう

利用する際の注意点

先進的窓リノベ2024事業は、多岐にわたるメリットがある一方で、注意すべき点もあります。利用する際の注意点を把握して、スムーズな申請を心がけましょう。

早期に締め切る可能性がある

先進的窓リノベ2024事業の予算は1,350億円です。しかし、補助金制度は、予算に達すると早期に申し込みが締め切られます。

なお、2024年5月10日時点の交付申請額は、57億2,647万円です。予算に達しなければ、期限は2024年12月31日までですが、早期に応募が締め切られる可能性が高いです。

工事を開始した後であれば、補助金の予約申請も可能です。窓リフォームを検討している方は、なるべく早く見積もりを取り、申請手続きを迅速に進めましょう。

ほかに補助金と併用できない

国の補助金は窓リフォームを対象とする複数の制度がありますが、同じ窓やドアについて、国のほかの補助制度から重複して補助を受けることは認められていません

たとえば「子育てエコホーム支援事業」も開口部の断熱改修を対象としていますが、同じ窓を対象とした場合、先進的窓リノベ2024事業と両方の補助を受けられません。

ただし、地方公共団体の補助制度は、国の財源を使用していなければ併用が可能です。

10年処分・貸付できない

窓リフォームによる補助金を受けた場合、その窓は最低10年間、国や事務局の承認なしに補助金の目的に反する方法での使用や、譲渡や交換、貸付、破棄などができません。

言い換えれば、リフォーム後の10年間はその窓を自分の住宅に取り付け、利用し続ける必要があります

まとめ

先進的窓リノベ2024事業は、一戸建て住宅やマンションの両方で利用可能な補助金制度です。費用負担を軽減しながら窓の断熱性能を向上させられます。

また、断熱性能の高い窓は、冬の寒さや夏の暑さを和らげるだけでなく、結露防止にも役立ちます。結果として、冷暖房の効率が上がり、光熱費の削減にもつながるでしょう。

そのため、窓リフォームを検討している方や、家の気密性が低く、室内が寒いと感じている方にとくにおすすめです。ただし、国のリフォーム補助金には予算の上限があり、申し込みが多い場合には早期に打ち切られる可能性があります。

補助金を確実に受け取るためには、早めに見積もりを依頼し、工事の予約を進めることが重要です。リフォームの計画を早期に立て、必要な手続きを迅速に行うことで、補助金を活用してお得にリフォームを実現できるでしょう。

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