高気密高断熱住宅は後悔する?その理由と対策を解説!

公開日:2024/04/18

高気密高断熱の画像
高気密高断熱の家は、一年を通して快適に過ごせる視点から近年注目を集めています。しかし、高気密高断熱住宅を建てて失敗したという声もあり、不安を感じる方も少なくありません。

本記事では、高気密高断熱住宅において後悔しやすいポイントと、その対策について詳しく解説します。理想の住まいを実現するための参考にしてみてください。

高気密高断熱の住宅とは

高気密高断熱住宅は、先進的な建築技術を駆使して外気の影響を最小限に抑え、夏は涼しく、冬は暖かい快適な居住環境を提供します。それぞれ特徴を見てみましょう。

高気密住宅の特徴

高気密住宅は、従来の住宅に比べて外部との隙間が少なく、気密性に優れています。従来の木造軸組工法で建てられた家屋では、天井や壁、床、窓枠などに隙間が生じやすく、気密性を保つのが難しいです。

しかし、高気密住宅では、建材の選定や施工方法によって隙間を極力減らしています。この高い気密性により、室内の空気が外部に漏れることなく、エアコンや暖房機器によって調整された室温を効果的に維持することができます。

その結果、快適な室内環境を維持するだけでなく、冷暖房の効率も向上し、光熱費の削減が可能となります。

高断熱住宅の特徴

高断熱住宅は、外部からの気温の影響を最小限に抑えるために、断熱材を効果的に使用して、家そのものの断熱性を高めます。外気の温度は室内の温度に影響するため、断熱性が低いと夏は暑く、冬は寒くなりがちです。

高断熱住宅では、外部からの熱や冷気の侵入を防ぐため、断熱材を外壁や屋根、床などに適切に配置します。これにより、室内の温度を一定に保ちやすくなり、冷暖房の必要性が低減します。

さらに、断熱性の高い窓やドアを使用することで、快適な居住空間を確保できます。高断熱住宅は、省エネ効果が高く、光熱費の節約にも大きく貢献します。

高気密高断熱住宅で後悔しやすい理由

高気密高断熱住宅は、省エネや快適性を追求するうえで魅力的な選択肢です。しかし、後悔する要因もいくつかあります。その主な理由について詳しく解説します。

窓が小さい・窓が少ない

高気密高断熱住宅では、気密性や断熱性を高めるために窓を小さくしたり、窓の数を減らしたりする傾向があります。これによって、室内の開放感が損なわれ、風通しが悪くなります。

梅雨時や日照時間が短い時期、日差しが室内に入りにくい部屋では湿気がこもりやすくなり、カビの発生などの問題が生じることもあります。

結露・カビが発生

高気密高断熱住宅でも、適切な換気システムがないと結露やカビが発生する可能性があります。一般的に高気密高断熱の家は乾燥しやすい環境のため、カビや結露は発生しにくいです。

しかし、換気システムが不十分な場合は湿度が上昇し、カビや結露が生じることがあります。

建築費が高い

高気密高断熱の家は、一般の住宅よりも建築費が高くなります。気密性や断熱性を高めるためには、高品質な建材や設備が必要であり、これが建築費の増加につながります。施工会社や性能のレベルによっても費用は異なりますが、坪単価では数万円の増加が見込まれます。

そのため、初期費用を抑えたい場合には悩ましい問題となるでしょう。高気密高断熱の家を建てる場合は長期的な資金計画を立て、コスト削減効果を考慮することが重要です。

乾燥しやすい

高気密高断熱の家は冬でも暖かい環境を提供しますが、一方で乾燥しやすいというデメリットがあります。高気密高断熱は水分量が少ない冬の空気を温めるため、湿度が下がりやすく乾燥を加速させる原因となります。

この問題を解決するためには、適切な加湿器の使用や暖房の温度設定の調整が必要です。

寒さを感じる

高気密高断熱の家は本来、冬でも暖かいはずですが、気密性や断熱性が低い場合や暖房設備が不十分な場合には、寒さを感じることがあります。

建築前に信頼できる建築会社を選び、十分な断熱性と暖房システムの確保が重要です。

息苦しさを感じる

高気密高断熱の家では、換気が不十分だと室内の空気が滞り、息苦しさを感じることがあります。また、高気密な環境が合わない場合にも同様の症状が生じることがあります。

24時間換気システムの適切な設置や、建築前の体験宿泊などを通じた検討が必要です。

高気密高断熱住宅で後悔しないための対策

高気密高断熱住宅を建てる際には、さまざまな要素を考慮することが大切です。必要な対策をとれば、性能を十分に活かして快適な住まいを実現できます。ここでは、具体的な対策の内容を紹介します。

気密、断熱、換気のバランスを取る

高気密高断熱の住宅を実現するためには、気密性と断熱性を高めることが不可欠ですが、同時に換気の確保も忘れてはいけません。

壁に断熱材を使用する際には、断熱材と柱の間に小さな隙間ができることがあり、これが壁内結露の原因となる可能性があります。壁内結露ができると、カビの発生や建物の劣化が引き起こされる恐れがあります。

この問題を防ぐには、暖かく湿った余分な空気を換気によって排出することが重要です。気密性と換気は密接に関連しており、気密性が低いと換気が不十分になります。また、気密性が高い場合でも窓の断熱性が低いと、結露が発生します。

2003年の建築基準法改正により、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられましたが、結露やカビの発生を防ぐためには室内の温度と湿度の管理も大切です。

気密、断熱、換気のバランスは住宅を建てる地域によっても異なるため、専門家のアドバイスを仰ぎながら設備を選定することが望ましいでしょう。

窓の配置や性能を考慮する

高気密高断熱の住宅では、窓の配置や選定が重要な役割を果たします。窓は外気の影響を受けやすい部分であり、断熱性の高い窓を選ぶことで、大きな開口部を設けることも可能です。

高性能窓は、樹脂サッシやLow-E複層ガラスなどの組み合わせによって、通常の窓よりも優れた断熱性能を発揮します。また、遮熱性能のある窓ガラスを選ぶことで、夏の暑さを抑えることができます。

ただし、窓の断熱性能が高いほど価格も上がります。コストを抑えるためには、必要な断熱レベルを考慮しながら適切な商品を選択することが重要です。さらに、一部に大きな窓を採用する場合は、浴室やトイレなどは窓を削減することで効果的にコストを節約できます。

モデルハウスや見学会で断熱性能を確かめる

高気密高断熱の住宅を建てる際には、モデルハウスや現場見学会に参加して、実際に断熱性能を確かめることが有効です。住宅会社によって気密性や断熱性は異なり、設計や施工方法、使用される材料にも特徴があります。

とくに、寒くなりやすい浴室や北側に位置する部屋など、気密性や断熱性が重要な場所には注意を払いましょう。モデルハウスや見学会では、実際の住宅環境を体感することで、自身のニーズに合った住宅を選ぶうえでの参考になります。

実績豊富な会社に依頼する

高気密高断熱住宅の建築には、正確な知識と高度な技術が必要です。実績豊富な会社は、経験豊富なスタッフが適切な知識と技術を持ち合わせており、高品質な住宅を提供することが期待できます。

営業担当者や現場監督、施工業者、職人まで、高性能住宅の建設に関する知識を共有し、経験を積んでいる会社であれば、マイホームで失敗する可能性は低くなります。

会社選びの際には、過去の実績や顧客の評判を調査し、信頼性の高い企業を選ぶようにしましょう。

まとめ

高気密高断熱住宅は、快適性や省エネ効果に優れた魅力的な選択肢です。しかし、後悔する要因も存在します。窓の小ささや結露・カビの発生、高い建築費用、そして乾燥や寒さを感じる可能性などがあげられます。

これらを解決するためには、気密性と断熱性を保ちつつ、適切な換気システムを導入し、窓の配置や性能を検討することが重要です。また、実績豊富な会社に依頼することで、信頼性の高い住宅を建てることができます。

これらの対策を講じれば、快適で後悔のない高気密高断熱住宅を実現できるでしょう。

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