注文住宅の窓の性能とは?日本は窓後進国である理由
公開日:2023/06/29 最終更新日:2024/04/04
窓の性能は、住宅の断熱性能にも大きく関わる要素です。しかし、実は日本の住宅の窓は、外国と比べて遅れているのが現状です。窓後進国とさえいわれています。そこで今回の記事では、住宅の窓の性能について、くわしく解説します。断熱性の高い窓の特徴についても解説するので、これから注文住宅を建てる方は参考にしてください。
注文住宅の窓の性能を示す指標
注文住宅を建てるときは、間取りだけでなく住宅の性能にもこだわりたいところです。快適に暮らすためには、高い断熱性能は欠かせません。窓の断熱性も大切です。まずは窓の性能を示す指標について説明します。
U値とは
熱還流率であるU値とは、住宅の窓の性能を示す指標のことです。単位は、W/m2Kで表します。U値が大きくなるほど、断熱性能が低くなります。反対に、U値が小さくなるほど、断熱性能が高くなります。
窓の断熱性が重要な理由
窓はU値が小さいほど、熱を通しにくくなります。日本の住宅では、冬場になると窓に結露が発生することもあります。
結露は、室内の湿気をふくむ暖かい空気が、窓や壁などで冷やされると発生します。結露はダニやカビの原因となるので、こまめに掃除するなどのメンテナンスが必要です。
しかし、窓が熱を通しにくくなれば、結露は生じにくくなります。
また、窓などの開口部を通して空気は出入りします。夏場は冷房をつけている部屋に外の熱い空気が入ってきたり、冬場の暖房をつけている部屋から熱が逃げたりします。
断熱性の高い窓であれば、消費電力を減らせるので節電につながります。このように、窓の断熱性を上げることが、快適に過ごすことにつながります。
日本の窓は世界より遅れている!?
外国に比べると、残念ながら日本の住宅における窓の性能は負けているといえます。ここでは、日本の窓の特徴について解説します。
U値の最低基準がない
外国ではU値の最適基準が設定されているものですが、日本では設定されていません。最低基準がないからこそ、断熱性能が低い住宅が多いのです。
日本の住宅建築の技術は進歩しており、住宅の断熱性能もますます注目されています。しかし、窓の断熱性については、日本はまだまだ外国に遅れをとっているといえます。
推奨されるU値
日本では最低基準が設定されていませんが、推奨されるU値はあります。冬場の平均気温が10℃を下回る地域で推奨されるU値について紹介します。
冬の寒さが厳しい東北や北海道では、2.33となっています。また、関東や内陸ではU値が3.49となっています。
すぐとなりの国である韓国中部では、U値は2.1~2.4です。日本でのU値に対する意識が、外国と比べると低いことがわかります。
アルミサッシ
窓は、ガラス部分とサッシやフレームといった枠などで構成されます。それぞれの組み合わせによって断熱性能が変わります。サッシの材質については、外国では樹脂や木が普及しています。樹脂は、断熱性能が高いのが特徴です。
しかし、日本ではこれまでアルミサッシが一般的でした。アルミサッシはコストも安価で、軽量でありながら強度が強いことが特徴です。腐食やサビにも強いというメリットもあります。
しかし、アルミは熱伝導率が非常に高い材質です。つまり、アルミサッシは断熱性能がとても低く、結露しやすいというデメリットをもっています。
断熱性の高い窓の特徴
断熱性能を高めれば、窓は熱を通しにくくなります。快適に過ごせる注文住宅を建てるためには、断熱性が高い窓を設置したいものです。ここでは、高い断熱性をもつ窓の特徴について解説します。
複層ガラスやトリプルガラス
日本の住宅はシングルガラスが一般的です。しかし、ガラス2枚を使用する複層ガラスのほうが断熱性は向上します。さらに、最近ではガラスを3枚使用したトリプルガラスもあります。断熱効果が高まり、結露の発生も大幅に軽減します。
樹脂サッシ
アルミサッシに比べて、樹脂サッシはU値が非常に低くなるので、はるかに断熱性能が優れています。多くの国々でも樹脂サッシが一般的になっているので、サッシの素材は樹脂が理想的でしょう。樹脂サッシよりも断熱性能が下がるものの、アルミ樹脂複合サッシもあります。
アルゴンガス
複層ガラスやトリプルガラスは、ガラスとガラスの間に空間があります。その空間に、アルゴンガスを入れることで、断熱性能が上がります。アルゴンガスは、空気よりも熱を伝えにくい性質をもちます。アルゴンガスを封入することで、断熱効果が高まります。
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まとめ
今回は注文住宅の窓の性能について解説しました。U値を見れば、窓の断熱性能がわかります。しかし、日本ではU値の最低基準が設定されていません。さらに、外国では樹脂サッシが広く使用されているものの、日本ではアルミサッシの使用が一般的です。
日本の住宅において、窓の重要性への認識は低い状態といえます。快適で健康的に過ごせる家を手に入れるために、窓の性能についても注目します。ガラスの枚数や、サッシの素材にも注意して、住み始めてから後悔しないように設計してください。窓の断熱性向上が、節電や二酸化炭素排出量の削減などにもつながるようになります。
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引用元:https://sml-support.com/lp
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